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あおひげ
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SYNTHESIZE 4話目の創作ログ

SYNTHESIZE 4話の創作ログです。
さて、今回挑戦したのは、

  • 主人公の感情をちゃんと描く
  • 無限と循環の怖さを描く

でした。ちなみに結論から語ると、どちらも難しい挑戦だったなと。
漫画執筆 & 連載を一度も経験せずに勢いで長期連載をやっていくことを決意し今に至る訳ですが、当然それは相当難しい挑戦だなと痛感している次第です。

一方で、漫画を描くという行為自体には微妙にではあるが、慣れてきた所もあり(最初の全てが手探りだった頃と比較してだが)、割とスラスラっと描き上げる事が出来ました。何事も継続だなと確信し、兎にも角にもこの取組を長期的に続けてみて1年後2年後、今より少し技術が上達してるといいなと思っております。

主人公の感情をちゃんと描く

もともと漫画を描きたいと考えたモチベーションの一つが「自分の中の異なる思想同士を戦わせたい」というモノでした。今回の話は、翠[スイ]と眞葛[マクズ]の思想をぶつけ合ってみたい、と想像しながら描き始めたのですが、これがまた難しい。
感情に起伏をつける場合、多少冗長になったとしても、起伏に対する助走といいますか、しっかりとコンテキストを描いていかないと読者が置いてけぼりになる危うさがあるのではと考えています。何故なら、私が漫画を読むのを途中で辞める瞬間の一つに「主人公の行動が理解できなくなってきたから」というのがあります。すごくストレスを感じる瞬間だったりするわけですね。

翻って、今回の話で読者を振り落としたりしないように、じっくり翠の心情に変化を与えていきたいとは思ったものの、これが全然うまくいかない…。
もともとこの話は25ページくらいの編成で(今は22P)ストーリーの進捗としては倍近い所まで描こうとしていました。ところが描きあがったネームを読み返してみると、心情の変化に違和感ありまくりでして。すごく作為的なんですよね。で、こりゃいかんと思って描き直したりしたのですが、まぁだからといって「完璧や!」と胸を張れるところまでは程遠い。

世間に公開し、辱めを受け、後悔したりしながら成長するものだと思うので、出来に対する満足度はともかく、一定のクオリティで出し続ける事が今所至上命題かなと思い、この話も今くらいのクオリティで公開することにしました。

無限と循環の怖さを描く

ホルヘ・ルイス・ボルヘスという天才としか言いようがない詩人がいます。彼は無限、循環、ミクロとマクロ、表裏、といった概念を幻想的に描く才が極めて高く、私が最も影響を受けた人物の一人です。
彼は数多くのアイデアを短編小説(詩)という形で無数に残しています。どれを取っても難解ですが、根気強く理解しながら読み進めていくと、物語の中盤から後半にかけて一気に畳み掛けるような怒涛の幻想的理解が押し寄せてくる快楽が、まるで活字の麻薬の様に脳に刻まれます。
そんな彼は、砂の本という短編の後に以下のようなあとがきを残しています。

今これを閉ざす人々の、好意にみちた想像力のなかで、その夢想がどこまでも分岐し続けることを願ってやまない。

私はこの一文を読んだ時、本当にもうそれは筆舌に尽くし難い程の衝撃と陶酔感に陥ったんです。彼は作品の中で無限の概念を描き続けただけでは留まらず、そのアイデアを一つの種として、誰かがまたその種を利用した新しい作品を生み出す事まで望んだのです。
彼の死後も、彼のアイデア(作品)はそうして語り継がれていく設計になってるんですね。よし、だったら私が21世紀に於いてはその役割を果たしましょう、と誓ってSYNTHESIZEを描き始めたようなもんです。

私は、ボルヘスのこのような思想や、彼の作品に対して思いを馳せる度にため息が出る程の感動と同時に、恐怖も感じます。どこまでも落下し続ける感覚、宇宙の果を想像する時、深海に行くことを妄想する時、底の見えないただっ広い夜の海に一人取り残されたような感覚、狭い押入れに閉じ込められた時……、そういった相反する感覚が、一気に押し寄せてきて得体の知れない畏怖を感じます。
そういった無限という概念を「恐怖」として漫画で表現できたら、と思って描き始めたのですが、難しかったですね。物語として描かなければいけないストーリーと、感情の流れと無限を、同時に良い感じで表現するスキルはまだ全然なかった様です。残念。

正直、これもまたいつか挑戦し直したい所ですね。
眞葛の章はこの後5話6話まで使って描く予定です。その後は少し方向性を修正しながら、続けていけたらと思っています。

#SYNTHESIZE #創作ログ #web漫画

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SYNTHESIZE 4話目の創作ログ

SYNTHESIZE 4話の創作ログです。
さて、今回挑戦したのは、

  • 主人公の感情をちゃんと描く
  • 無限と循環の怖さを描く

でした。ちなみに結論から語ると、どちらも難しい挑戦だったなと。
漫画執筆 & 連載を一度も経験せずに勢いで長期連載をやっていくことを決意し今に至る訳ですが、当然それは相当難しい挑戦だなと痛感している次第です。